ゼロで抑えるサッカー

指導者として開眼したのが、「負けたら終わり」のトーナメント戦で生き残れる、負けないためのサッカーだった。「人間教育、しつけは親の役割」「問題児と呼ぶ指導者の方を問題視」など、独自の思考に裏打ちされたユニークな持論も目を引く。「サッカーと成績と人間成長はつながっている」という言葉の真意は何か?

指導者は学んで工夫すべし

サッカーの戦術は指導者によってそれぞれ。だからこそ、指導者は学び続けなければならないと説く山下氏。そうして築き上げたいくつもの練習法、指導法は、細部にわたる狙いを持ち合わせた独自のスタイルだった。「山下サッカー」の真骨頂の1つとも言える「守備が仕事なら攻撃は趣味」という言葉の意味するものは?

都立勢初、選手権でベスト8に輝いた理由

激戦区の東京都で強豪私立を倒し、全国の舞台でも快進撃を見せることができたのは、なぜだったのか。「選手たちの学ぶ力が大きかった」と振り返った言葉から、子どもたちとの信頼関係の深さが伝わる。「部活の先生」としての人生に懸ける思いと、育成年代をめぐって日本サッカー界が解決しなければならない課題に触れる。

目次

はじめに

第1章 ルーツ
ー子ども時代から中学校まで
ー母の思惑通りに東京都立駒場高等学校に進学
ー上級生と喧嘩寸前・サッカー部キャプテンの登場
ーサッカーを始めてみたら
ー恩師・徳永先生の指導
ー初めての試合でハットトリック
ー高校生活と帰りがけのスパゲッティ
ー父は感謝すべき反面教師
ーヤマを張ったテスト勉強とハイレベルな文武両道


第2章 日体大から教員への道
ー日本体育大学への進学
ー日体大での練習と厳しい上下関係
ー週3でディスコ通いのキャンパスライフ
ー大学4年、早めの卒論
ー教員になる決心
ー人生で2回だけの不合格
ー教員浪人を経て墨田工業赴任
ー走らせて走らせて地区大会突破
ー指導の壁は、帰宅後の行動がわからないこと
ー江戸川区の元総番長が暴走族を撃退


第3章 墨田工業高校に異例の在籍17年間
ー「ヤマ(山下)がいなくなったら終わりだ」で在籍17年
ー先輩指導者からの誘いを断るのは機会損失
ーゼロで抑えるサッカーに開眼
ー守備とは与えられた仕事
ー人間教育、しつけは親の役割
ー人の頭にラーメンをぶっかける生徒とその母親
ー保護者にも怒鳴る修徳高校向笠先生
ー駆け引きは必要
ー墨田工業高校から三鷹高校に異動
ー意図は言わずに練習させて、最後に意味を分からせる
ー日頃の練習と試合前練習の違い
ーサッカーと成績と人間成長はつながっている
ー部活とクラブチームの違い
ー指導者がコロコロ替わることの弊害


第4章 三鷹高校、都立勢で史上初のベスト8
ー三鷹高校が全国大会初出場でベスト8進出
ーサッカーで身長はハンデにならない・白井豪の活躍
ー駒場高校でインターハイ全国大会出場(9年ぶり2回目)
ー「押されているのがうちらのペース」キャプテン原の言葉
ー駒場高校で関東大会優勝、運も実力のうち
ー全国大会出場のために教えてるわけじゃない
ー公立高校が激戦区東京を勝ち抜けた理由
ー負けない気持ちでゼロに抑える
ー指導は理解しやすく、簡単な言葉で
ー守備が仕事なら攻撃は趣味
ー「個」の力
ー高校生として扱うのは青森山田高校黒田監督と一緒
ー下手でも仲間が付いてくるやつがキャプテン


第5章 主軸は常に生徒の成長
ー見ているときだけ頑張る選手
ー3年間はあっという間、指導は早めに、細かく教える
ー戦術はそれぞれ、指導者は学んで工夫すべし
ー教えて楽しい小学生、対応が難しい中高生
ー問題児の対処方法、仏の顔は2回まで
ー問題児と呼ぶ指導者の方を問題視
ー指導者を指導する難しさ
ー部活を支えるのは先生方のボランティア精神
ー部活動は日本の文化、クラブチームは代わりにならない
ー山下流クラブチームは塾とタイアップで勉強サポート


第6章 「山下サッカー」を貫く
ー「選手分散」が東京サッカーに与えた影響
ーメディア露出の多い強豪校に選手が集まる時代
ー波長が合うと、あれよあれよとうまくなる
ー自信を持つこと、持たせること
ー「とりあえずやってみろ」では動けない、今の子どもたち
ー「個」に合わせた細かい指導
ー日本のサッカーをつくる、日本人監督の長期在任が鍵
ー伝えることの重要性「伝えたのか、伝わったのか」


第7章 新しい時代でも変わらない信念
ーテクノロジーの導入について
ー今のサッカーをどう見ているか
ー高校サッカー部の監督に懸ける思い
ー「Bチームの先輩を尊敬しています」その理由とは


おわりに

出版キャンペーン
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「Bチームの先輩を尊敬しています」の真意
私が考える「伝える」ということ
人によって指導を変える
「Bチームの先輩を尊敬しています」その理由とは


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著者紹介



山下正人(やましたまさと)
1956 06/26 生
1975 都立駒場高校卒業 サッカー部
1979 日本体育大学卒業 サッカー部
1980 都立墨田工業高校 教諭(サッカー部顧問)
   東京都ベスト8(インターハイ予選)
1999 都立三鷹高校 教諭(サッカー部顧問)
2004 全国高校サッカー選手権 東京都大会 ベスト4
2005 全国高校サッカー選手権 東京都大会 準優勝
2007 全国高校サッカー選手権 東京都 大会 優勝 全国大会出場
全国高校サッカー選手権 ベスト8  (都立高校初)
2009 都立駒場高校 教諭(サッカー部顧問)
2010 インターハイ 東京都優勝 沖縄国体出場
全国高校サッカー選手権 東京都大会 優勝
2012 日本高校選抜監督(ベリンツォーナ国際大会)
2014 関東大会東京都予選  優勝 
関東大会 優勝 (都立高校初)
2018 霞ヶ浦高校 教諭(サッカー部総監督)
2019 関東大会茨城予選ベスト8(男子)
全国高校サッカー選手権茨城予選ベスト8(男子)
インターハイ茨城予選 優勝  関東大会出場(女子)
全国高校サッカー選手権茨城予選 準優勝 関東大会出場 (女子)
2020 全国高校サッカー選手権茨城予選ベスト8(男子)
全国高校サッカー選手権茨城予選 準優勝 関東大会出場 (女子)

※福岡国体サッカー東京都少年選抜監督
※東京都サッカー協会指導者育成インストラクター
※東京都サッカー協会強化部長