私たちの心の中には、何かしら挑戦したい夢がある。しかし、何かと｢言い訳｣を見つけて、結局現状に流されてしまう。人間とは、そういう生き物である。年齢や、環境、周りのせいにして何も挑戦しないまま、時が過ぎていってしまう。
瀬戸貴幸というサッカー選手の生き様は、その真逆に位置している。高校を卒業してから、アルバイトでお金を貯めて単身ブラジルに渡った。ブラジルから帰国後も｢一般的｣には、就職する年齢であったが、見向きもしなかった。彼は、常に新しい環境に、勇気を持って飛び込み続けてきたのだ。
本書は、｢何かに挑戦したいけど、一歩踏み出せない人｣にとって、きっと背中を押してくれるだろう。
日本のサッカー界も近年では、10代のうちに欧州へと移籍する選手が増えてきている。しかし、このルートを選択する選手は、一握りしかいないのが現状である。高校を卒業して、もしくは大学を卒業してから｢Jリーグ｣にいくことが王道だと考える選手が多い。それと同時に、高校や大学を卒業してJリーグに入団出来なかったら、｢プロサッカー選手｣という道を諦める選手がほとんどである。
瀬戸選手の経歴を見ると、そんな常識はどこかに飛んでいく。初めてプロサッカー選手になった国は、日本のJリーグではない。イタリアでもスペインでもない。彼が選んだ先は、東ヨーロッパにあるルーマニアである。そして、加入当初3部リーグに所属していたチームを1部に昇格させていったのだ。そして、ヨーロッパリーグにも参戦した。ルーマニアを選んだ理由を読めば、きっとこの先、選択に迷っている選手の道しるべになるはずだ。
プロサッカー選手になる道は世界に開かれていることを、瀬戸選手が証明してくれている。
小学、中学校ではベンチを温める時間が長かった。高卒では、プロになれなかった。ブラジルに行ってもプロになれなかった。そして、日本でアルバイトをしながら、Jリーグのトライアウトを受けたが、それでもプロサッカー選手にはなれなかった。そんな中でも、瀬戸選手には｢諦める｣なんていう言葉は一切出てこない。
困難や壁にぶつかった時に、どう考えるか。そして、どういった選択をするのか。その一例がこの書籍にはある。心の持ち様で人の将来は大きく変わってくる。そして、挫折を乗り越えた先に、瀬戸選手が見た物とはいかに。
今なおヨーロッパで戦い続ける瀬戸選手から、夢を叶えたい全ての人へ捧げる魂のメッセージである。
第1章 サッカーの基礎を学んだ小学、中学、高校時代
- サッカーとの出会い
- 楽しみながら基礎を学んだジュニア時代
- 温かく見守ってくれた両親の存在
第2章 高校卒業そして単身ブラジルへ
- ブラジルを選んだ理由
- プロサッカー選手として生きていく覚悟
- ブラジルと日本サッカーの違いは、ずる賢さ
第3章 帰国後はアマチュアリーグ
- 日本に帰国した理由
- スーパーでアルバイトをしながらトレーニングした日々
- それでもプロの道を諦めない
第4章 ルーマニアを選んだ理由
- きっかけは兄の知り合い
- 渡り歩いたプロ戦記
- 2億円のオファーを蹴ったのは「日本代表になるため」
第5章 第一線で活躍し続けられる理由
- 一流のサッカー選手ほど健康管理を大切にしている
- プロになってから身につけたフィジカルとメンタル
- お金では得られないもの
第6章 プロサッカー選手を目指す子ども達へ
- チャレンジし、継続する大切さ
- プロの門戸は世界に広がっている
- 全ては「サッカーが好きだから」
少年期で得た「楽しむこと」と「基礎」
家族のおかげでできた世界への挑戦
海外で学んだ自分に足りていない能力
これからの目標と彼が思うサッカーについて
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瀬戸貴幸 （せとたかゆき）
生年月日 1986年2月5日（34歳）
出身地 愛知県名古屋市
身長 182㎝
体重 73kg
【ユース経歴】
1997年 - 2001年 名古屋FC
2001年 - 2003年 愛知県立熱田高等学校
2004年 - 2005年 アヴァイFC→SCコリンチャンス・パウリスタ→アヴァイFC→ポルトゥゲーザ (パラナ州)
2006年 - 2007年 愛知ニューウェーブス (フットサル)
2006年 - 2007年 OSFC、T.T.CHOPPAR (名古屋市リーグ)
【プロ経歴】
2007年 - 2015年 アストラ・ジュルジュ/ルーマニア
2015年 - 2017年 オスマンルスポル/トルコ
2016年 - 2017年 アストラ・ジュルジュ/ルーマニア(期限付き移籍)
2017年 - 2018年8月 アストラ・ジュルジュ/ルーマニア
2018年8月 - 同年11月 ヴァンフォーレ甲府/日本
2019年 FK RFS/ラトビア
2020年1月 - アストラ・ジュルジュ/ルーマニア