中学時代に頭角を現し、U-15の日本代表に選出された成岡氏。サッカー王国・静岡県の強豪、藤枝東高校では1年生のときから中心メンバーとして活躍し、U-22まですべての世代別代表に選ばれ続けた。高校在籍中にはJ1リーグの常勝チームだったジュビロ磐田の強化指定選手に登録され、卒業時には数多くのJクラブが争奪戦を繰り広げた事実からも、日本サッカー界が彼に寄せた期待の大きさがうかがえる。少年時代から特異とも言える激しい競争環境に身を置き、世界を相手に育成世代のトップを快走してきた成岡氏が過ごした日々は、どんな想いだったのか？
2003年にジュビロ磐田に加入すると、1年目から公式戦に出場。2006年には背番号「10」を与えられ、チームの中心メンバーの1人としてプレーするようになる。しかし、2010年オフにジュビロ磐田からの契約延長オファーを断り、アビスパ福岡に移籍。2013年にはアルビレックス新潟に移った。2019年まで長い現役生活を続けた成岡氏のサッカー人生を振り返ったとき、道標のように浮かび上がるのは「成長」というキーワードだ。少年時代からどれだけ高い評価を得てもそこに安住しようとしなかった姿勢こそが、史上94人目のJ1リーグ通算300試合出場という偉業達成にもつながったと言えよう。常に自身の伸びしろを求めて走り続けてきた成岡氏の生き様は、閉塞感が漂う現代社会で生き抜くことを求められるビジネスマンにとっての道標になるはずだ。
35歳まで17年間にわたりプロ生活を続けた成岡氏。プレーヤーとしての人生にピリオドを打った後も、小・中学生を対象にしたスクールの指導者としてサッカーの現場に関わり続けている。サッカーへの熱い想いは現役時代と変わらない中、子どもたちへの指導に情熱を傾ける日々。「さまざまな形でサッカー界に恩返しをしたい」と、指導者にとどまらない夢も追い続けている。
はじめに
第１章 サッカーの聖地・静岡での少年時代
兄の背中を追い続けて
サッカーを辞めなかった理由
指導者に恵まれた幸せ
心を奪われたJリーグの開幕
セレクションを避けて街クラブへ
中学３年でナショナルトレセン入り
第２章 強豪・藤枝東高校へ 中心選手として活躍
入学の決め手は選手権への憧れ
１年生ながら背負った「１０番」
勉強で撃沈、あわや留年の危機
代表活動が自分を変えた
上り始めたプロへの階段
第３章 世代別日本代表の常連に 痛感した世界との差
歯が立たなかったイタリア遠征
１６歳で感じた代表の重み
Uー１７世界選手権は予選リーグ敗退に
ワールドユースではベスト８
「プロの世界で活躍したい」
第４章 地元・静岡のジュビロ磐田で８年間プレー
強豪５クラブからのオファー
異次元の強さだった磐田のサッカー
チームの成績が下降
背番号１０で８得点
初の移籍を決断
第５章 磐田を去り、いざ新天地へ
成長できる環境を求め、アビスパ福岡を選択
J２陥落で味わった充実感と責任感
J１のアルビレックス新潟に移籍
サッカー選手としての気持ちに変化
第６章 SC相模原、藤枝MYFCでの２年間
妻の言葉で現役続行を決意
「クラブのために」「地域のために」
「あと１年」地元クラブの藤枝MYFCへ
最後のピッチで感じた充実感
サッカースクールでの指導に興味
第７章 引退、指導者の道へ
J１リーグ通算３００試合出場に思うこと
さまざまなポジションに順応できた
ポジティブな選手こそが生き残る
子どもたちの指導に楽しさ
第８章 「サッカー人」として描く未来
自分の意思を持ち、答えを導き出せる選手を育てたい
止める、蹴る、運ぶことの大切さ
解説者、アパレル事業でもサッカー界に貢献
サッカーは「育ての親」
おわりに
サッカーを辞めなかった理由
地元・静岡のジュビロ磐田で８年間プレー
サッカー選手としての気持ちの変化
自分の意思を持ち、答えを導き出せる選手を育てたい
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成岡翔（なるおか しょう） サッカー指導者・解説者
【選手歴】
2003-2010 ジュビロ磐田
2011-2012 アビスパ福岡
2013-2017 アルビレックス新潟
2018 SC相模原
2019 藤枝MYFC
【代表歴】
U-15日本代表
U-16日本代表
U-17日本代表
U-18日本代表
U-20日本代表
U-22日本代表
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