日本高校サッカー界の父の教え

 四中工サッカー部を「ゼロ」から「全国優勝」まで導き、四中工の歴史だけでなく日本サッカーの歴史を変えた城雄士氏。現在では強豪校と呼ばれる四中工サッカー部。かつて三重県にサッカーの名門は無く、サッカー部自体も三重県内に数えるほどしかなかった。城氏はサッカーを教えたいと保健体育の教員免許を取得。出会いに恵まれ四中工でサッカー部を創設することとなった。しかし当初は未経験者ばかりで「全国優勝」はおろか、部員数も10人程度で試合がなんとかできるレベルだった。そんな城氏率いる四中工サッカー部が、「ゼロ」から「全国優勝」にまで導いた秘訣とは一体何だったのだろうか。

「良い選手」を育てるために必要な力

 四中工はJリーグで活躍する選手のみならず、指導者も多く輩出している。工業高校でこれだけの選手や指導者を輩出している学校は珍しいだろう。数多くの実力者を輩出できる理由とは何か。城氏は「いい子」が「良い選手」というわけではないと考える。勉強や運動など日々の生活で「いい子」でないのが、それほど悪いことだとは思わなかった。彼のある教育法により、樋口士郎の弟である樋口靖洋は横浜 F・マリノスやヴァンフォーレ甲府の監督を歴任。小倉隆史は名古屋グランパス監督、中田一三は京都サンガ F.C. の監督として活躍した。四中工の伝説である彼らが3年間で得たものが城氏の言葉で記されている。

指導法の「哲学」

 「ゼロ」から「全国優勝」まで導いた城雄士氏。監督未経験から素人集団の選手達をまとめあげた方法。そして、数多くの実力者を輩出した実績から見える教育法とは一体なにか。「選手を育てる」ことを、とても面白く、奥深いと語る城氏。トレーニングや練習法など実践以外の「哲学」を探ることで、彼の残してきた「実績」の秘訣が見えてくるはずだ。この「哲学」はサッカーだけでなく、どんなスポーツやビジネスにも良い影響を及ぼすことだろう。サッカー関係者、スポーツ関係者のみならずビジネスや教育に従事する人々にも一読の価値ありだ。

目次

第一章 四中工の初代監督になるまで
サッカーとの出会い
基本を学んだ中学校時代
サッカーから離れた高校時代
キャプテンを務めた大学時代
四中工に赴任したきっかけ
サッカー部発足の背景

第二章 ゼロから全国優勝への道のり
未経験者ばかりでスタート
三重県ベスト4で得た「勝つ喜び」
強豪校との親善がもたらしてくれるもの
監督10年目で東海3県の優勝校に
監督20年目で悲願の全国優勝
県内で育った若い才能

第三章 大切にしていた指導方針
「自分で考えられる子」であれば「いい子」でなくて良い
選手の「個」を大事にする育成と能力重視の選手起用
「楽しくサッカーをする」が第一
「良い選手」を育てるために必要な「考える力」

第四章 思い出に残る選手たち
やっぱり凄かった小倉隆史選手
Jリーグ選手や監督を多数輩出
指導者になった教え子たち

第五章 監督としての喜びや苦悩
秋田で民泊しインターハイ優勝
引き分けの両校優勝とPK戦への意識変化
国体と高校サッカーの掛け持ち

第六章 退任のとき
引継ぎのタイミング
四中工の監督を退任
樋口監督へのバトンタッチ
実績を積み重ねる大切さ

第七章 若い才能を育てるために
全国から才能を集める強豪校
選手を見続けること
理論ばかりではいけない
チームありきではなく選手ありき
地域で選手を育てる大切さ

あとがき

出版キャンペーン
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城雄士のサッカー原点
四中工の監督になるきっかけ
指導者としての原点
指導者として「見守る」ことの大切さ
後継者の決め方


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著者紹介



城雄士  じょうゆうじ

1940.8.25 三重県伊賀市出身
・三重県サッカー協会顧問
・技術委員会アドバイザー
・四日市中央工業初代監督

1991 年中田・中西・小倉『四中工 3 羽ガラス』を擁し、念願の選手権優勝を飾る。
その他にも高校総体2連覇や、ベスト4の常連となり全国に名将としてその名を轟かせる。
1995 年監督勇退後は四日市工業高校教頭を経て、1999 年松阪(三重中京)大学サッカー部監督に就任。東海リーグ4 部から強化を始めたチームは東海リーグ 1 部・天皇杯(三重県代表)の常連となり、総理大臣杯やインカレ(全国大会)にも出場。廃校に伴い退任し、2011 年 7月 FC.Avenidasol 強化アドバイザーに就任。これまで数多くのサッカー選手、日本代表選手、サッカー指導者を輩出する。現在、多くの城門下生が指導者となり三重県で活躍している。三重県サッカーの礎を築き上げ、三重県サッカーを語るのに欠かすことのできない絶対的存在である。